カイロプラクティックの経緯

 カイロプラクティックとは脊椎などの椎骨がずれて神経が圧迫され、機能を阻害されるために様々な症状が起こる という考えの元に、レントゲン写真にて角度を精査し、手によって脊椎を整えて身体の機能を回復させようとする療法である。それにより、人間が本来持っている自然治癒力(カイロプラクティックではイネイト・インテリジェンスと呼ぶ)を呼び起こすという。したがって、カイロプラクティックは日本の柔術由来の柔道整復(接骨、整骨)や、昭和に創始された野口整体等とは全く異なるものである。

 WHOのNGOにWFC(世界カイロプラクティック連合)が加盟し、世界数十カ国(例:アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、イギリス、ニュージーランド、香港、南アフリカなど)で法制化されている筋肉や骨といった、筋骨格系の機能と構造的な障害、そしてそれが及ぼす神経系の機能異常、ひいては健康全般への影響を診断、治療、予防する専門職である。脊椎マニピュレーション(アジャストメント)と呼ばれる徒手治療を特徴とし、薬物、外科を使わない自然治癒力を重視したヘルスケアの1つとしてカイロプラクティックが注目されている。

 カイロプラクティックは脊椎の変位により起こるサブラクセーション(一つの椎骨が上下の関係において正常な位置より変位して、神経圧迫を起こし、脳からのメンタルインパルス(神経エネルギー)の伝達を妨害している状態)をアジャストメントという手技で取り除き自らの自然治癒力を取り戻させる「代替医療」であり、それゆえ実践する人間は医師ではない。つまり、カイロプラクティックと病院とを混同させてほしくありません。

 カイロプラクティックはアメリカの多くの州ではDoctor of Chiropractic(D.C)の名称で医療資格として認可されており、また欧米を中心とした国でカイロプラクティック専門家という資格として法制化されているが、脊椎治療での医療過誤が多少とも起こりえる為、現在の治療で脊椎矯正は主流で無くなりつつある。殆どの世界各国および日本の医学界では医療として認知されていない。またあはき法による「あん摩、マツサージ、指圧、柔道整復」にも含まれておらず、その他の医業類似行為として分類されている。また1950年ころにはマーティン・ガードナー『奇妙な論理』(ISBN 4150502722)では「疾患の原因をすべて背骨のずれに求めそれ以外の細菌等による罹患を認めていない」とし疑似科学として批判された。日本では厚生労働省で医学的な観点から研究が行われているが、治療効果については有効とも無効とも結論は出されていない。

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